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忙しいということ

忙しいのが苦手な私。今回取ってるコースの1つからドロップアウトしたことは、学ぶことのクオリティを維持するのには、自分にとって必要な選択だったと思う。

忙しいとき、パニックになってしまうとき、頭の中のリソースがうまく使えなくなってしまう。人それぞれに頭のよさが違うとおり、頭脳がいっぺんに処理できる情報量には個人差がある。人それぞれに走る速さが違うのと同じように、頭の情報処理の速さも違う。一瞬にしてたくさんのことに注意を払ってうまく物事を処理できる人、一度にひとつのことに集中して物事に対応する人、みんな自分のキャパシティに応じた方法で情報を処理する。私は後者のほうだと思う。

認知心理学では、人間のできる情報処理量にはリミットがあることが実証されている。その量は個人差があるけれども、私たちが一瞬に記憶できるまとまった情報は平均したら7つ前後で、電話番号の桁数はこれをもとに決められたそうだ。記憶だけでなく、私たちが毎日情報を受け取ったり考えたりする、その一瞬一瞬にもリミットがあって、ひとつのことに注意を向けているときに、全く同時に別のことに注意を払うことはできない。授業中に友達とおしゃべりをすると先生の話の内容が頭に入ってこないのは、良く使われる例で、実際の音が耳に入ってきてもその内容までは認識できていない。

忙しくて、自分の処理能力が追いつかないとき、人はパニックになってしまって、落ち着いていればできることもうまく出来なくなってしまう。まわりで起きているたくさんの物事に注意を向けようとするだけでも、頭の中は大混乱なのに、さらに、「ああ、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、、」と焦っていると、それだけで頭のリソースが使い切られてしまって、他のことを考える余裕がなくなってしまう。だから新しいアイディアを思いついたり、物事を深く考えることもできなくなる。頭の中にしまってある記憶を結びつけて新しい発見をしたりするのも、頭にヒマがないと難しい。

忙しいときに慣れていることをやるのは、それほど苦にならない。けれども、理解や創造力が必要なときは、ある程度、頭のリソースに空きがないと難しい。新しく入ってきた情報を理解して記憶すること、頭の中の情報を整理して文章としてアウトプットすることなど(=学校の勉強で要求されること)は、頭のリソースがそれなりに必要であり、それがいっぱいいっぱいの時(パニック状態の時)はうまく頭が働いてくれず、いい結果が生まれない。頭のリソースを活用するためには、使えるリソースがあることが大前提。余裕が必要なのである。
by miffyinvic | 2006-03-03 19:08 | 心理学

カナダ西海岸で7歳児と二人暮らし


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