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ADHD(注意欠陥多動性障害)

学級崩壊が話題なってから日本でもADHD(Attention-Deficit Hyperactivity Disorderの略)が注目を集めるようになった。ADHDは発達障害のひとつで、物事に集中できない、自分の行動を制御できない、周りの状況に行動を合わせられない、などの症状を示し、現在は脳の発達異常によって引き起こされると考えられている。

この発達障害はイギリスで1902年に初めて報告されてから100年以上経っているが、日本でADHDの研究はまだそれほど多くない。なにしろ、日本では子どもの発達障害の専門家が、精神科医・脳神経学者合わせて全国に500人程しかおらず、両親や担当の先生が子どもたちのことを専門家に相談したくても簡単にはできない状態らしい。幸いにも、ADHDの子どもの親が中心になって設立したNPO法人えじそんくらぶなどの努力によって彼らを取り巻く状況は以前と比べるとだいぶ改善してきているようだけれど。

Webの記事で読んだのだが、厚生労働省による公式のADHD治療ガイドラインはまだ準備段階であり、アメリカやカナダでは一般的に処方されているリタリンなどの薬は日本ではADHDの治療薬としての認可を待っている状態だそうだ。今は、もしも子どもがADHDと診断されても、その治療薬あるいは行動療法は健康保険が適用されないという。

子どもの発症率は世界全体を見ても約2~9%となっているし、日本の調査では約2.5%~7.7%という数字が出ていて、小学校の1クラスに1~2人はADHDを持つ子どもがいる可能性が高い。日本でのADHDに対する理解と治療のための環境整備が急がれる。子どものADHDが疑われるのは、だいたい子どもが幼稚園や小学校に通うようになってからだ。両親が先生から子どもの問題行動を指摘されて初めて気付かれることが多い。ただ、ADHDという言葉が知られるようになり、先生が簡単に子どもをADHDだと決め付けるのではないかと危惧する専門家もいる。

アメリカでは子どもをADHDと診断すること自体の議論もあるし、治療については子どもに対する過剰な投薬も問題になっている。ワシントンの議会では2000年に国の問題として子どものADHDについて討論されたそうだ。この問題を扱ったビデオを授業で見たが、なかなか興味深かった。ビデオの内容はPBSのWebで見ることができる。
PBS Frontline: Medicating Kids
by miffyinvic | 2006-03-28 15:45 | 心理学

カナダ西海岸で7歳児と二人暮らし


by miffyinvic